整形外科学(テスト法) (目次)

目次

1 はじめに

多くのお客様を施術していると、同じような症状でも原因が異なる場合がよくある.
 
所謂、整形外科分野に於ける関節痛、背腰痛、手足の痺れなどであるが、同じ様な症状で原因の確からしさを確認するためにはテスト法が重要な意味をもつ.
 
これは、術前テストに於ける可動域の確認や術後の確認にも影響する.つまり、いくら施術しても間違った施術では意味が無い.
 
術前に十分な疼痛テストや可動域確認、身体確認を行うことにより、術後のテストによる確からしさ(精度)が向上するものと考える.
 
ここでは、主に臨床評価プロトコル(手順)とテスト法の目次について記す.
 
テスト法の詳細は、各目次のリンク先を参照.
 

2 整形外科学(テスト法) 目次

No. 項目 項目の分類
000 骨の構造・生理・科学 骨の構造や骨の発生・成長、骨の病態生理
001 痛みの生理学 痛みの機序、痛みの種類
002 姿勢の評価 姿勢の確認、体型、障害、習慣など姿勢による歪みや適応性についての概説
003 頚椎 触診、頚椎可動域、鎖骨下動脈の異常、鑑別
004 頚椎神経 C5,C6,C7,C8,T1
005 肩関節 触診、肩関節可動域、腱炎、骨液包炎
006 肘関節 触診、肘関節可動域、神経障害
007 手関節 触診、手関節可動域
008 触診、関節不安定性
009 胸椎 触診、胸椎可動域、脊柱、神経根障害
010 腰椎 触診、腰椎可動域、鑑別
011 腰椎神経根障害 T12,L1,L2,L3,L4,L5,S1
012 仙腸関節 触診、捻挫、仙腸関節障害
013 股関節 触診、股関節可動域、先天性股関節形成不全、股関節症外
014 膝関節 触診、膝関節可動域、半月版不安定性、膝靭帯不安定性
015 足関節 触診、足関節可動域、靭帯不安定性
016 その他 抹消動脈不全、深部静脈血栓症、詐病
017 神経反射 病的反射
018 小脳の機能テスト 上肢、下肢の機能テスト
     

 

3 臨床評価プロトコル

臨床評価プロトコルとは、医学用語であるが、患者の症状だけでなく、病歴、家族構成、患者の観察、触診、可動域、神経テスト、機能テスト、画像診断をすべて行い現在の症状の原因と治療法を確立するための手順である.
 
私達治療家の場合、この臨床評価プロトコルをすべて適用することは出来ないが、少しでも多くの情報を得ることにより、症状に対する原因や誤った生活習慣などを知ることが出来る.
 
臨床プロトコルの中でも特に重要なのが、病歴である.この病歴を知ることにより関連性が得られる場合もある.しかし、関連性が得られなくても病歴をきちんと知ることは重要な意味をもつものである.

3.1 病歴

実は、病歴を見れば患者の性格や能力、意思を見抜くことが出来る.
 
例えば、同じ障害で複数の医師(病院)に掛かりながら、ほとんど、あるいは全く臨床に役に立つことのない病歴しか持っていない患者は、状態を改善させる意思がないか、能力が無いという可能性がある.
 
所謂、ドクターショッピングを繰り返す患者には、状態を改善させる意思が相当低いものと考えられる.
 
この点をはっきりさせるためには、患者を問題に集中させることである.つまり、患者の日常生活、発症の時期、既往歴をきちんと説明してもらうことや治療への期待を確認することが重要であると考える.

3.2 観察

患者の全体的外見と動作を観察する.体型、姿勢のズレ、歩行、筋性防御の有無などを確認する.

3.3 視診

皮膚、皮下の軟部組織、骨の3つの層に分けて視診を行う.

3.4 触診

触診は視診を行う時に同時に行う.
神経圧迫時の感覚異常の有無などを確認する. 

3.5 関節可動域

関節の可動域の評価は以下の3種類について確認する.

3.5.1 他動的関節可動域

患者の力を借りずに患者の身体部分を動かす.他動的関節可動域の確認により、原疾患に関する多くの情報が得られる場合がある.
 
従来より、他動的関節可動域の痛みは、運動側の関節包または靭帯の病変、または、運動の拮抗筋の病変の兆候である.角度および痛みの所在によって、様々な問題が推測される.下表にそのバリエーションを示す.

No. 分類 説明
1 痛みの無い正常な可動性 病変の無い正常な関節
2 痛みの誘発を伴う正常な可動性 軽微な靭帯の捻挫、または関節包の病変の兆候である可能性がある
3 痛みの誘発を伴わない運動性低下 テスト対象の特定の構造の癒着の兆候である可能性がある
4 痛みの誘発を伴う運動性低下 より急性な靭帯の捻挫、または関節包の病変の兆候である可能性がある
5 痛みの誘発を伴わない過運動性 構造が完全に断裂しておいり、この構造には痛みが誘発される可能性のある正常な繊維が無いことを示唆している.外傷が無く過運動性の場合は、この現象はもともと正常である
6 痛みの誘発を伴う過運動性 幾つかの正常繊維が残っている部分的断裂を示唆している.
     
3.5.1.1 末端感覚評価
カテゴリ 正常な生理的末端感覚 異常な病理的末端感覚
硬い 骨と骨が接触する時、動きが突然止まる. 正常時に予想される他動的な動きの前に突然動きが止まる
軟らかい 2つの体表が一緒になると、組織の柔らかい圧迫が感じられる 滑膜炎または軟部組織浮腫に起因する軟らかい感覚
堅固 筋・靭帯、あるいは腱が伸びた時、弾力性のある堅固あるいはふわふわした感覚 関節包における僅かな弾力性のある動きに対する堅固なばねのような感覚
ばねのような、ブロック   通常半月版のある関節における可動の限定されたリバウンド効果
空洞   他動的に動かした時に激しい痛みを伴う関節内の空洞感.動かすことができない
     

3.5.2 自動的関節可動域

身体各部位の身体機能評価のために実施される.患者の動かそうとする意思についての一般的な情報が得られる.
 
患者に対して、可動域全体にわたって関節を動かすように要求し、政情可動域を動かすことが出来ない場合には機能喪失の原因が痛みなのか、神経運動機能障害による減弱なのか、硬直なのか、あるいは、全機能を使うことに対する患者の意識的抵抗なのかを区別することはできない.したがって、自動的関節可動域の評価は、それ自体が曖昧であり限定されたものである.

3.5.3 抵抗可動域

筋腱ならびに神経系の評価に役立つ.主として神経機能のテストに使用される.以下に筋力評価分類表を示す.

No. 筋力評価分類の説明
5 強い抵抗を加えても重力に打ち勝って完全に動く
4 幾らか抵抗を加えても、なお、重力に打ち勝って完全に動く
3 抵抗を加えなければ、重力に打ち勝って完全に動く
2 重力を除けば完全に動く.(水平面での運動)
1 筋の収縮が認められるが、関節は動かない
0 筋の収縮はまったくみられない
   

4 参考文献

内田淳正(監修)(2011). 標準整形外科学. 医学書院. 
ジョセフ J. シプリアーノ, 斉藤明義(監訳). (2016). 整形外科テスト法(増補改定新版). 医道の日本社.

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このホームページは、うつ病の精神治療法を研究するための私自身のためのサイトです。私自身が覚えることが苦手、且つ、忘れっぽい性分なので備忘録として主に以下の内容のものを扱っています。どこにいてもこのホームページを閲覧することができるようにという目的でこのホームページを作りました。
 
 
ホームページの作成には、Emacs 25.1.1 を使い org-mode により HTML を生成しました。Emacs を使った理由として、Mac , Windows , FreeBSD などOSを問わずに編集出来ること、また、日頃の文書作成も Emacs を使っているため慣れ親しんだツールを使うことが何よりも使い易いためでもあります。このホームページは、大学、大学院で学んだ事柄を中心に私自身が日々の研究のために忘れないようにするための私自身の備忘録、或いは雑記帳の様なものですので、記載されている事柄について十分な確認や検証をしたものではありません。
 
 

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著者: Satoshi Takemoto Satoshi Takemoto

Created: 2017-08-17 木 19:36

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