心理統計法-ノンパラメトリック検定(2)

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2017-05-14 2200. 統計法 コメントはまだありません

心理統計法-ノンパラメトリック検定(2)

1 はじめに

ここでは、対応のない (k) 水準間の比較について事例を使って記す。
 
(k) > (2) 個の独立した群について、その代表値を比較する方法が Kruskal-Wallis のH 検定 である。
 
H 検定は U 検定と同様に観測値の順位和を使って、水準間の代表値の違いについて有意性検定を行う。

2 事例

以下の表1に示したデータを用いて H 検定を行ってみる。

2.1 データ表示

 
表1 データ表示

(A群) 2 4 6 5 7
(B群) 1 3 2 4 6
(C群) 5 7 8 3 9

2.2 観測値をを一つの表にまとめる

表2 観測値を一つにまとめる

観測値 1 2 2 3 3 4 4 5 5 6 6 7 7 8 9
順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
平均順位 1 2.5 2.5 4.5 4.5 6.5 6.5 8.5 8.5 10.5 10.5 12.5 12.5 14 15

2.3 3水準に表を分割する

表3 順位を3水準に分ける

(A群) 2.5 6.5 10.5 8.5 12.5
(B群) 1 4.5 2.5 6.5 10.5
(C群) 8.5 12.5 14 4.5 15

2.4 帰無仮説

(H0) = (k 個の水準間で代表値に差はない)

2.5 順位和を計算する

順位和:(Ra) = (40.5), (Rb) = (25), (Rc) = (54.5)
平均順位和: (bar{Ra}) = (8.1), (bar{Rb}) = (5), (bar{Rc}) = (10.83)

2.6 検定統計量 H を求める

もし、帰無仮説が正しければ、各水準間で順位和と平均順位はほとんど同じ値になるはずである。
これを前提として、次の数式により検定統計量 H を求める。

begin{eqnarray*}
H = frac {12}{N(N-1)}*{sum_{i=1}}^k-{frac {Ri^2}{ni}-3(N+1)}
end{eqnarray*}

これにより、(H) = (4.35) となる。
ただし、同順位の組がある場合は、次の式により補正する。

begin{eqnarray*}
c = 1-frac {sum_{i=1}^g*(ti^2-ti)}{{N^3-N}}
end{eqnarray*}

(c) = (.996) となる。

begin{eqnarray*}
H0 = frac {H}{c}
end{eqnarray*}

(H0) = (4.37) となる。

2.7 H 検定

自由度は、(k-1) = (2) となる。(χ^2) 分布表によると、自由度2であれば、上側確率 (5%) の臨界値は(5.99) である。
  
 
以上により、上で求めた補正後の H はこれよりも小さいため、危険率5%で帰無仮説が採択される。すなわち、水準間の差は統計的に有意とはいえない。

3 引用文献

小野寺 孝義. (2015). 心理・教育統計法特論 (放送大学大学院教材), 放送大学教育振興会.
田中 敏, 山際 勇一郎. (1992). ユーザーのための教育・心理統計と実験計画法 – 方法の理解から論文の書き方まで, 教育出版.

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