臨床心理学研究法-投影法

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2017-05-14 2100. 研究法 コメントはまだありません

臨床心理学研究法-投影法

1 メニュー

投影法における人格検査の詳細は以下のリンクを参照。

種類 形式 テスト名
人格検査 投影法 ロールシャッハ法
    ハンドテスト
    TAT, SAT, CAT, MAPS
    P-Fスタディ
    SCT, 言語連想検査
    バウムテスト, H-T-P, D-A-P
    風景構成法
    家族画

2 はじめに

投影法は日本で最も採用されている人格検査である。
また、投影法は単に心理検査の一形式に留まらず、心理臨床の中核をなす研究法でもある。 

3 投影法の概念

マレー(Murray, H. A.)を除けば、無意識や防衛機制といった精神分析学の考えは反映していない。

3.1 フランク(Frank, L. K.)

「投影法」の用語を 心理検査の総称として提案したのは、フランク(Frank, L. K.)であった。ロールシャッハ法、言語連想検査、TATの3種類の検査をもって投影法と呼んだ。
定義には無意識や防衛機制といった表現は含まれていない。

3.2 マレー(Murray, H. A.)

TATの創始者。「投影法」という用語を採用しているが、TATの目的を述べる中で無意識のコンプレックスを明らかにするとして、精神分析学との関連が認められる。

3.3 ラパポート(Rapaport, D.)

スライドとプロジェクターの関係として、個人のパーソナリティと投影検査との関係を表している。
個人の日々の認知や感情などすべての心理的活動が投影であるとみなしていた。

3.4 池田(1995)

投影法は個人の関心、欲求や欠乏感がそのまま、知覚や判断に反映された結果を示す。

4 精神分析学における投射の概念

以下にフロイト(Freud. S.)の投射の概念に対する考え方の違いを示す。
 
1894年 『不安神経症』の中で以下のように述べている。

「人の心は、内部に発生した興奮を抑えることができないと不安神経症になるが、心はその際あたかもその興奮を外に投射したかのように反応する」

 
1896年 『防衛-神経精神病』、『防衛-神経精神病に関する二、三の覚書』の中では以下のように述べている。

「人は防衛メカニズムをもっているが、その一つとして、不快なもの、好ましくないものは自分のものとしてではなく、他者のものとみなす」として、精神分析学の投射を記述している。

 
1901年 『日常生活の精神病理学』「ⅩⅡ 決定論, 偶然の存在を信じることと迷信, いくつかの観点」の中で以下のように述べている。
「数字ばかりでなくその他の言葉の思いつきも、精神分析的に検討すると、ほとんどの場合十分な動機を持っていることが分かったとしても、なんら驚くには足りないだろう」と述べ、投射が否認を伴わず、むしろ「心理的な偶然の背後にある動機」の存在を強調いる。
 
1911年 『シュレーバーの症例について』の中では以下のように述べている。

「被害妄想の発生機序について述べ、その中で内的感情が否認され、反動形成を受け、投射される」ことを指摘した。

 
1913年 『幻想の未来』ではさらに投射の概念を広げている。

「投射は、防衛のために作られたものではなく、葛藤がない場合でも成立するのである。内的知覚の外部への投射は原始的なメカニズムであり、たとえばわれわれの感覚知覚もそれにしたがっている。」

5 投影法

片口(1974)は、投影に2種類あるとして投影の区別をした。

5.1 被圧投影(repressive projection)

反応から推測されるパーソナリティが当人に自覚されず受容されないもの。フロイトの初期の投射の考え方に該当する。

5.2 同化投影(assimilation projection)

反応によって推測されるパーソナリティが当人に自覚され、受容されるもの。フランクの考える投影に該当する。

 

6 引用文献

齋藤高雅, &元永 拓郎. (2012). 臨床心理学研究法特論 (放送大学大学院教材) (新訂). 放送大学教育振興会.

河合隼雄 (1986) 『心理療法論考』 新曜社 , pp. 288-296

下山晴彦 (2000) 臨床心理学研究とは, 下山晴彦 (編著) 『臨床心理学研究の技法』 福村出版, p.14

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